苦しみを軽くするにはどうしたらいいか

2017-04-18

今日は苦痛を軽減する方法について書いてみます。


本当は苦痛そのものを完全に消滅させる方法が
あればいいですよね。

でも、残念ながらそれは難しいようです。


多くのスピリチュアルなマスターは、
「人生は苦しみである!」
と言っています。

しかし、これは「苦しみましょう」という意味ではありません。

むしろ

”苦しみを受け入れることが、
苦しみを軽減することに繋がっていく”

という意味なのですね。


いろいろな例を出しながら解説していきます。


以下は最近、実際にあった相談です。

「動悸が激しくなるのですが、どうしたらいいでしょう」

「やる気が出ないのですが、どうしたらいいでしょう」

「許せない人がいるのですが、どうしたらいいでしょう」

こうした相談内容は何らかの苦痛を感じているから出るもので、
普通に生きているだけでも
こうした苦痛を体験すると思います。


そして私たちは、
これらの苦痛をどうにかして消そうと考えます。

・動悸を消すには?

・やる気が無い感情を消すには?

・許せない人を消すには?(なんか怖い表現になりましたが笑)

とにかく苦痛を”消す”方に意識が向いていますよね。


しかし実は、
これらの苦しみを消したり、
苦しみから逃れようとしたりすればするほど、
苦しみは増大してしまうのです。



1つの苦痛を、1つの波に見立てたとしたら、
その波を消すためには別の波を起こさなくてはなりません。

そして、
その別の波が更に心の海を荒らし、
その新たな波を消すために、また別の波が必要になります。

どんどん心が大荒れ状態になってしまいます。

心が荒れると、人生も騒がしくなります。


世の中には苦痛を回避するためのノウハウも多くあり、
それらも役立つことはあります。

しかし、違った苦痛の波を生み出す種になることもあります。


「いろいろやってきたのに苦痛がなくなりません!」という場合は、
もしかすると波を増やしているのかもしれないです。

そのため私は、
苦痛を避けたいですといった類の相談を受けたら、
直接は言わなくとも、苦痛の波を受け入れる方向に話を進めていきます。


かくいう私も苦痛を経験したことがあり、
今でも日々経験しています。

中には避けられない苦痛というのもあります。

たとえば、
過去の私は1日に数十錠の薬を飲むほどの重度のぜんそくでした。
(ぜんそくとは息が苦しくなる呼吸器系の病気です)

発作が起こると呼吸がしにくくなり、
本当に死ぬんじゃないかと思ったこともあり、
実際に死にそうになって何回も入院していました。


また、ぜんそくによって別の精神的苦痛も生み出されました。

喘息のせいで運動ができなくていじめられたり、
勉強ができなくなったり
周りから認められなくなったりしました。

のちに、こうした苦しみは自分が全て引き寄せていたことに気づくのですが、
当時は本気で苦しんでいました。

3歳からずっとぜんそくに苦しまされてきたので、
中学生の頃には苦痛に対する対処法を
自分なりに生み出していました。


それが、《必要以上に苦しまない》という方法です。


これはなにかと言ったら、
「もし、これ以上ひどくなったらどうしよう!」という
妄想を停止する方法です。


ひとは少し苦痛を感じると、それを大きくする性質があるようです。

たとえば、
ぜんそくで発作が起きたら、

「もっと悪化したらまずい」

「薬が効かなかったらどうしよう」

「というか
こんなに薬を飲んだらおかしくなるんじゃないか」

「あぁ、もっと苦しくなってきた」

「このまま息が出来なくて死んだらどうしよう!」

「死んだら部屋に隠してある物が見つかってしまう……」

といった妄想をしながら、
ネガティブなストーリーを生み出していることに気づきました。

苦痛から逃避しようとしていたのです。


当時は飛行機に乗るのも少し苦手だったのですが、
同じような理由で
苦手だったことに気づきました。

たとえば、飛行機がちょっと揺れたくらいで

「風が強いのかな」

「翼がグラグラしてるけど大丈夫かな」

「もしこのまま落ちたらどうなるだろう」

「そうだ
落ちそうになったときの脳内シミュレーションをしておこう」

「パラシュートとかあるのかな?いや、ないよな…」

「でも海に飛び降りれば助かるかもしれない」

「飛行機から脱出するとして、
痩せてるけど落下に体が耐えれるかな」

「というかもっと飛行機が揺れてきたぞ!」

「あぁ、落ちてるときに気を失ったらどうしよう」

といった妄想をして、苦痛を大きくしていたのです(笑)

笑えるかもしれませんが、
何かの苦痛を避けようとするとき
小さなパニック状態になるのです。


なんとなくお分かりいただけたでしょうか?

“まだ起きていない未来”をイメージして、ストーリーを作っているのが、
苦しみを増大させているときの共通点です。

もちろん、
起きるかもしれないことに対して対処しておくことは必要なので、
「苦しみを”無視”しましょう」という話ではありません。

行動をどうするかはおいておいて、
「脳内で妄想して心に波を作っているかどうか」が、考えるところですね。


さて、
代表的すぎて今まで避けてきた例が、

「お金がなくなったらどうしよう!」

です。

お金がなくならないように現実的に行動するのは必要だと思いますが、
感情的に

「お金がなくなったらどうしよう」

「お金がなくなったら、こうなって、こうなって、こうなって、
最終的にはとりかえしのつかないことに……」

といったネガティブ・ストーリーを生み出している場合は、
苦痛を大きくしているかもしれません。


そして苦痛の波動が、現実にも新たな苦痛を引き寄せます。

苦痛から逃れようとして、
「もしこうなったらどうしよう!」と思って焦るほど
苦痛が複雑かつ深刻になってしまう、ということです。


以下は月に1回開催している明鏡止水という講座で
実際にあったやりとりです。


//ーーーーー

参加者:
「お金がなくなったらどうしよう、という不安があります」

黒澤:
「であれば、その不安を直視してみましょう。
お金がなくなったらどうなりますか?」

参加者:
「お金がなくなったら、生活できなくなります」

黒澤:
「生活できなくなったらどうなりますか?」

参加者:
「ホームレスになるかもしれません」

黒澤:
「では、ホームレスになったらどうなりますか?」

参加者:
「周りの人から見下されるのが嫌です。……あっ」

ーーーーー//


この参加者は、
お金がなくなること自体を避けたいのではなくて、
「自分が認められない存在になること」を恐れていたことに気づきました。

つまり、

「認められない」

という苦痛を受け入れずに避けようとした結果、
新たなストーリーを生み出し、
「お金がなくなったらどうしよう」という別の苦しみを生み出していた、
ということです。

原型である「認められなかったらどうしよう」という苦痛は、
忘れられていたケースですね。


このあたりは複雑なので分かりにくいかもしれませんが、
1つの苦しみが別の苦しみを生み出し、
苦痛の原型が分からなくなっている場合もあることは覚えておいてください。

苦痛は避けようと思うほど、新たな苦痛を生み出してしまうのです。


……では、どうすればいいのか?


実はとてもシンプルで、苦痛を直視するだけです。

最初は「そんなの嫌だぁ!」と思うのですが、
慣れてくると
こちらの方が何倍も癒されることに気づきます。

逃避しようとするから余計にまずいことになるので、
逆に冷静に見つめてみるのですね。


実際に今、苦痛を感じていることや、
避けようとしていることを
正直に見つめてみましょう。

そして、

「もしこうなったらどうしよう」

といった具合に「まだ起きていないことについてのストーリー(思い込み)」を
創作していないか、意識を向けてみます。

苦痛の存在に、ただ気づくだけで変わっていきます。


たとえば、

・失敗したらどうしよう。
・病気になったらどうしよう。
・結婚できなかったらどうしよう。
・お金がなくなったらどうしよう。
・悟れなかったらどうしよう。
・認められなかったどうしよう。
・愛されなかったらどうしよう。
・何かが今より酷くなったらどうしよう。

などなど、いろいろな”避けたい苦痛”が出てくると思います。


その9割は実際には起こらないことですので、
「今、実際に起きていることだけ」見るようにします。

冷静に、丁寧に、慎重に、
今この瞬間に、
客観的事実として何が起きているか?


抵抗しようとせず「気づく」だけで変わっていきます。

ほとんどの場合は、
事実よりも苦痛を大きくしていたことに気づきます。


しかし、
1割くらいは、
避けたい苦痛が実際に起きることもあります。


……しかし問題ではありません。

実際には”今の経験”しかないので、そのときの今、それを経験するだけです。

仮に本当に気を失ったり死んだりしたとしても、
それを意識で経験することはありません。

つまり、
意識のキャパシティが支えられる範囲のことしか、
そもそも経験できないのです。


シンプルに言い換えると、

「大丈夫なことしか経験できなくて、
本当に大丈夫じゃないことは経験できない」

ということです。

逆にいうと「大丈夫じゃなさそう」なことすらも、
経験することを受け入れられている、
「本当は大丈夫なこと」ということです。

これに気づくと、恐れることは何1つなくなります。


たとえば、上の方で
「動悸が止まりません」という悩みがありましたが、
小さな動悸の時点で

「もっとひどくなったらどうしよう!
(=大丈夫じゃなかったらどうしよう)」

と思うので余計にひどくなってしまうわけですね。


逆に、小さな動悸を受け入れ、
それを冷静に体験していた方が、いつのまにか治っていきます。

ちなみに緊張しやすい人も(私も過去そうだったのですが)、
「もし、こうなったらどうしよう」という
ネガティブ・ストーリーを生み出す傾向にあります。

逆に苦痛を受け入れ、「そうなっても大丈夫」と思えば、軽減します。

苦痛を味方にしてしまえばいいのですね。


もちろん簡単なことではないと思いますが、
反復して苦痛を直視していれば
苦痛がじわじわ弱くなっていくのを感じていただけるはずです。


妄想していることの大半が
非現実的なことで誇張されているというのは、
考えてもみれば当たり前なのですが、
人間の脳は妄想の世界と現実の世界の区別がつきません。

しかし、真実を見抜く力があれば、
妄想に惑わされることはありません。

特に、

「もし、こうなったらどうしよう」

といったネガティブ・ストーリーを生み出す癖がある人は、
現実を直視する練習をすると良いです。

そして仮に恐れていることが起きても、
人体が耐えられる範囲のことしか経験できませんので、
「大丈夫じゃない何か」は永遠にやってきません。


私たちにできるのは苦痛を回避することではなく、
「苦痛に対する姿勢を変えること」なのです。

そしてこれは、単なる一時凌ぎではありません。

実は長期的に
人生から実際に苦痛を減らしていくことに
つながってくのです
が……


長くなりそうなので、今日はこのあたりで失礼します!


まずは避けようとしている苦痛があったら、
逆に目をカッと開いて直視してみてください。

今まで見えなかった何かが見えてくるはずです。

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